刑務所の中のクリスマス

※これはカナダの「シャインツマン」という新聞に載った実話です。

クリスマスの夜のことでした。

ひとりの女の子が、冷たい北風が吹き抜ける暗い道を歩いていきます。

どこまでも続く高いレンガの塀のそばの道を、女の子は小さなプレゼントを胸に抱いて、ブルブル震えながら歩いていきました。

実はそのレンガの塀の内側は刑務所で、その子のお父さんが殺人犯として捕らわれていたのです。

やがて刑務所の門のところまで来た女の子は、守衛のおじさんに言いました。

「おじさん、お父さんに会わせて下さい。」

「ダメだ、もうとっくに面会時間は過ぎている。明日来なさい。」

「あの…お父さんにクリスマスプレゼントを渡すだけなんです。ちょっとだけなんです。入れてください。」

「ダメダメ!刑務所の規則は厳しいんだ。明日来なさい。」

「あしたはもうクリスマスが終わってしまいます。お願いです。ちょっとだけお父さんに会わせてください。」

「ダメといったらダメなんだ!今日はもうダメなんだ!」

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とうとう女の子は泣いてしまいました。

ちょうどそこへ刑務所長が通りかかりました。かわいそうに思った所長は、優しく声をかけました。

「おじさんがそのプレゼントをお父さんに渡してあげよう。今すぐ渡してあげるから、泣かないで帰りなさい。明日お父さんに会いにいらっしゃい。」

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実は、その女の子のお父さんは手のつけられない囚人でした。乱暴で凶暴で、刑務所の規則など何も守らない囚人でした。

独房の中で所長からプレゼントを受け取ったその男はリボンをほどきました。中には一枚の紙切れがありました。

大好きなお父さんへ

お父さんが殺人犯だということが恥ずかしいといって、お母さんは家を出てしまいました。

クリスマスにお父さんにプレゼントを贈りたいと思いましたが、お金がありません。

そこで、お父さんが優しくなでてくれた私の赤い巻き毛の髪を切りました。

これを今年のプレゼントにします。

お父さん、私はどんなにつらくても、寂しくても、お父さんが帰ってくるまで頑張ります。

お父さんも頑張ってください。

刑務所は寒いと思います。

お父さん、風邪をひかないで・・・。

読んでいく男の目に、どっと涙があふれました。

男は箱の中から赤い巻き毛をつかみ出すと、その中に顔をうずめて泣きました。肩を震わせて泣きました。

その次の日、男はまるで別人のようになっていました。大きな刑務所の中で、もっとも模範的な囚人に生まれ変わったのでした。

愛ほど私たちを変えるものはありません。

育が人を変えます。教育が人を作ります。教育ほど素晴らしいものはありません。
しかし時として、知識は人を傲慢ごうまんにします。知識は人を誇らせ、みにくい優越意識で他人を見下します。知識がかえって人を盲目にし、偏狭へんきょうにすることもあります。

産が人を変えます。金が人を狂わせます。豊さはかけがえのない宝ですが、物質的豊さがかえって精神を衰えさせ、人間を利益だけ求める亡者にしてしまう場合があります。

デオロギーや思想は、夢や目標を与え、情熱を掻き立て、エネルギーを引き出します。それは進歩への大きな力です。
しかし時としてイデオロギーが人格を変え、顔つきまでも変貌させ、独善から人生を破綻に導くこともあります。

実の愛には何のマイナスもありません。

ほど私たちを変えてくれるものはありません。真実の愛は私たちを強くし、優しくし、大きくしてくれます。

愛は人に勇気を与え、悪条件に負けない忍耐力を引き出してくれます。愛は一瞬にして私たちの全人格と全生涯を決定的にしてしまう力を秘めています。

弱さはなお残るでしょう。悪条件との戦いも続くでしょう。しかし、愛にはそれら1つ1つに打ち勝たせて乗り越えさせる力があります。

 

クリスマスは、神がどれほど私を愛してくださっているのかという事に思いを馳せる良い機会です。

そして神が私を愛してくださるように、私も他の人に愛を示す良い機会です。

世界中が愛であふれる日になりますように…メリークリスマス。

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