とお考えの方に、子供の滑舌が悪い原因や、自宅で楽しく取り組めるトレーニング法をご紹介します。
わが家の場合、長男が4歳になっても何と言っているかほとんど理解できないほど滑舌が悪く、6歳になった今でも「た行」と「さ行」が「か行」になってしまいます。
半年ほど前からことばの教室に通ってトレーニングを受けたり、言語聴覚士からアドバイスを受けたりしてかなり発音が改善されてきました。
一連の流れで体験してきたことや得た情報をもとに、分かりやすくまとめてみましたので宜しければ参考にしてみて下さい☆
子供の滑舌が悪い5つの原因
1.舌小帯短縮症
舌小帯短縮症とは、舌の裏にあるスジのようなもの(舌小帯)が生まれつき短い、または舌の先端の方についている状態で、舌が思うように動かせなかったり、発音がしにくいといった特徴があります。
成長とともにスジがのびて自然治癒する場合が多いですが、そうではない場合はスジを切る処置をすることで滑舌の改善がみられます。
うちの二女が幼少期これに該当していて、舌をベーッと出すと舌先がハートの形になっていたのですが、3歳ころには自然に、ほとんど気にならないくらいにまでスジがのびました。
2.口内形状によるもの
上顎(うわあご)の空間が高かったり、あごが狭かったり、歯並びが悪いなど、舌を適切な場所につけにくい口内形状であることも、滑舌が悪くなる原因になります。
また、舌や喉の筋肉の機能に異常がある場合も、鼻から息が漏れてしまって上手く発音できなかったりします。
うちの長男は、形成的な問題がないかを調べるために、総合病院でレントゲンを撮ったり、鼻からカメラを入れた状態で発音したり、鼻からの息漏れをチェックしたりと、様々な検査をしました。
結果的に形成的な問題は見当たらないとの事で、滑舌改善のための手術は必要なく、このままトレーニングを続けていけば改善していくだろうという診断を受けました。
手術が必要なほどのレベルであるなら、いくらトレーニングをしていてもなかなか改善されないケースもあると思うので、心配な場合はまず耳鼻科に相談してみるといいと思います。
3.変なクセがついている
たとえば「た」を発音する時は、舌を上の歯の裏につけて発音するのですが、舌を引っ込めるクセがついていると、舌の奥のほうが上顎につくので「か」に聞こえてしまったり…
「さ」を発音する時は、舌は口内のどこにも触れずに発音するのですが、舌が前に出るクセがついていると、舌が歯にあたって「た」に聞こえてしまうなど…
クセは一人一人違うので、言語聴覚士など専門の先生に見てもらうことが改善への近道です。
4.聴覚に問題がある
生まれつき聴力が弱い子もそうですが、健康な子でも90%はかかると言われているほど小児に多い病気の滲出性中耳炎。
滲出性中耳炎とは?
滲出性中耳炎は痛みを伴わない症状のため発見が遅れることも多く、うちの子もその事例になってしまいました。
健康体でも2歳までにほとんどの小児がかかり、大多数は気づかれず自然治癒していると考えられているようです。
自然治癒しない場合、鼓膜の内側に液体がたまった状態が続きます。そのとき聞こえてくる音というのは、健常な人が水中にもぐった時に聞こえてくる音に似ているそうです。
ボワンボワンとしていて、はっきり聞こえないですよね。
なので自分で話すようになってからも、聞こえてきた音をマネして、はっきりしない発音で話してしまいがち。
うちの子の場合はアデノイド(鼻の奥のリンパ)が肥大しすぎていたため、中耳炎や睡眠時無呼吸症候群を引き起こしていたようです。
3歳の時に、鼓膜に穴を開けてチューブを挿入し、アデノイドと扁桃腺もとる手術を施した結果、劇的に症状が改善されました。
普通の子と同じくらいの聴力を取り戻し、無呼吸症候群もなくなりました。
当時「透明な鼻水が続いているだけで、ほかに症状はないから」と、病院の受診を見送ってしまったのが滲出性中耳炎の発見が遅れた原因だったと今になって思います。
透明な鼻水 = アレルギー反応かもしれない = 二次障害や合併症がおきるかもしれない
という考えを念頭におき、ほんの少しでも気になる症状がみられる時には、念のため病院を受診することをおすすめします。
5.舌や顔の筋肉が発達していない
滑舌が悪い主な原因として考えられるのは、舌や顔の筋肉が発達していないことです。舌を滑らかに動かすための筋肉が弱いため、はっきりとした発音ができないのです。
逆に変に力が入りすぎているのが原因という場合もありますが、両者とも舌や顔の筋肉を鍛えれば滑舌を改善できる可能性が高いと言えます。
今回は、この5番目の原因を改善していく(舌や顔の筋肉を鍛える)ためのトレーニング方法をお伝えします!
自宅で簡単に楽しくできる方法なので、ぜひお子さんとやってみてくださいね☆
舌や顔の筋肉を鍛える9つのトレーニング
①おっとっと体操
舌の筋肉と感覚を強めるトレーニング
step
1子供は目をつぶって口を開ける
step
2親がおっとっとを1つ子供の口の中に入れる
step
3子供は舌先だけでその形を当てる
3〜5問くらいやってみよう!
あ
②ジャム体操
舌の筋肉の発達を促すトレーニング
ジャム以外に、ハチミツやチョコレートクリームなどでも代用できます。それをスプーンで少量すくって、
step
1親が子供の唇の1箇所に塗る
step
2子供は顔を動かさずに舌だけで舐め取る
唇を時計に見立てて、だいたい0時、2時、3時、5時、6時、7時、9時、10時のあたりにランダムに塗って舐め取らせよう!
step
3最後に、子供の口から2cmくらい離れたところでスプーンを持ち、子供は顔を動かさずに舌だけで舐め取る
あ
③うがい体操
舌をどこにも触れないようにするトレーニングで、母音の発音をきれいにすることに効果的
step
1スプーン3杯の水を口に含み、上を向いてガラガラと5秒間うがいをして吐き出す
step
2スプーン2杯の水、スプーン1杯の水で同様に行う
あ
④こつぶポテコ体操
舌先に力を入れるトレーニングで、「た行」「な行」に効果的
step
1子供は舌を床と平行に出す
step
2親は子供の舌先にポテコを当てて、お互いギュッと力を入れて押しあいっこする
あ
⑤ポテトチップス体操
舌先に力を入れるトレーニングで、「た行」「な行」に効果的
step
11枚のティッシュの上に、ポテトチップス1枚分を小さく割ってのせる
step
2子供は手を使わずに舌だけで(ティッシュが舌にくっつかないようにして)ポテトチップスを食べる
あ
⑥たまごボーロ体操
舌の脱力のトレーニングで、「あ行」「は行」に効果的
step
1「あ」の形の口のまま、舌の中央にたまごボーロを1コ乗せる
step
2舌を平らにたもって10秒キープしてから食べる
step
3同様に、20秒キープ、30秒キープも行う
舌を出した状態でのキープもやってみよう!その場合も舌を平らにたもって、力が入らないように気をつけよう!
f
⑦えびせん体操
舌先をコントロールするトレーニングで、「た行」「な行」「ら行」に効果的
step
1子供は「あ」の形に口を開けたまま、舌を「ベー」と出す
step
2親は一口大に割ったえびせんを、子供の上唇の近くで持つ
step
3子供は舌先でえびせんをタッチする・離すを繰り返す
あ
⑧ストロー体操
「さ行」の発音に効果的なトレーニング
step
15cm程に切ったストローを、ジュースを飲む時のようにくわえ、口は軽く開ける
step
2ストローに「スッスッスッ」と息を送りこむ
step
3ストローを外して、同じ要領で「スッスッスッ」と無声音で息を出す
step
4有声音で「スッスッスッ」と発音する
ストローじゃなくても、おっとっとの細長い形状(イカとか)のものやマカロニなどでも代用できます。
あ
⑨あいうべ体操
口周りの筋肉を鍛えるトレーニング
TVでもよく紹介されているので御存知の方も多いと思いますが、お子さんと一緒にやるとにらめっこしているみたいで楽しいのと、親も脳の活性化・小顔効果・ほうれい線やシワの解消にもなるので、ぜひ親子で楽しみながらトレーニングしてみましょう!
step
1「あ」「い」「う」「べ」を1秒ずつキープする
「べ」は舌が、あごのどこまで行けるかお子さんと競ってみて下さい。
顔面全部の筋肉を使って、恥を捨てて思いっきり変顔しましょうwww
楽しい時間も過ごせて、舌・口周り・顔の筋肉も鍛える事が出来て一石二鳥です。
声は出しても出さなくてもOK。
あ
⑩ ◯×クイズ
これもお菓子は使わないのですが、自宅で簡単に出来るトレーニングの1つとしてご紹介しますね。
苦手な発音がある場合、そもそもその音を正しく認識出来ていない場合も多々あります。
例えば、イスを「イシュ」と発音するものだと思っている子は、いつまでたっても「イシュ」と言うでしょう。
なので、正しく認識できているかを確認し、できていないようなら正しく認識できるように助けていきます。
【トレーニングのやり方】
普段お子さんと接していて、発音が気になった単語をメモしておいてそれを重点的にやってもいいですし、漠然と、「さ行」が苦手だから「さ行」を含む単語でやってみよう…という感じでもOKです。
お子さんが知っている、簡単な単語を選びましよう。
と言って、子供に手で◯と×を作って評価してもらいます。
(例)
親「イス」→ 子:◯
親「イシュ」→ 子:×
親「イチュ」→ 子:×
親「イス」→ 子:◯
親「イチュ」→ 子:×
という感じで、1つの単語につき5問くらいを1〜3単語やってみよう!
親の口元を手で覆い、口元が見えない状態で同じようにもやってみましょう(口を見て判断している場合もあるので)
正解した時は大げさに褒めてあげると、子供も自信がつきます。
これで正しく聞き分けができているようなら、その単語に関してはインプットがちゃんと出来ているので、あとはアウトプットを意識していけばいいという目安にもなります。
逆に、正解なのに×にしちゃうとか、その反対とか、要するに正しく認識できていない場合はどうしたらいいのかというと…
そのトレーニング中ではなくて日々の生活の中でその単語を使う時に、意識して、ゆっくりはっきり正しい発音で言うように親が気をつけていると、子供もだんだん正しく認識できるようになっていきます。
トレーニング中に正しい発音を教えたくなりますが”正されるのが嫌”という子もいるので、トレーニングはあくまで音や単語を正しく認識できているかどうかを確認するためと割り切り楽しくやることを第一に考えると良いですよ。
あ
最後に…
間違いを指摘されたり、出来ないことを責められたりすることは、誰だって嫌だと感じるものです。
なので、子供が上手くトレーニングや発音が出来ないからといって責めたりせず、愛と忍耐をもって親子で楽しく取り組みましょう。
ちなみに、うちの長男は話すことや歌うことに対して苦手意識を感じているので、そういうのを気にせずに自己表現できる手段の1つとしてピアノを習い始めました。
↓このページに長男ひかるのエピソードや、弾けるようになった曲を掲載していますのでご興味のある方は読んでみて下さい♪
長男ひかるのエピソード
2020年度:小学1年生 弾けるようになった曲再生リスト 長女そらの演奏 長男ひかるの演奏 二女こころ&三女あいの演奏 性格 好きなもの 音楽歴 将来 正義感と優しさの固まり わが家の" ...
続きを見る
2020年7月追記
前歯が3本抜けた状態の長男ですが(笑)、何もしなくなるよりはマシでしょう…ということで、ことばの教室に通い続けています。
苦手だった「す」の発音もかなり良くなり、ほかの音もトレーニングのおかげでかなり改善されました。
来年はもう通わなくても良さそうな気がしています。
ちなみに二女のこころも、「さ行」が「た行」になってしまうということで、今年からことばの教室に通い始めました。
三女のあいも全く同じ症状があり…もしかして3人ともお世話になるかも…(送迎大変)
早く綺麗な発音でお話できるようになって欲しい…
2021年追記
長男は年長〜小学2年の終わりまでの3年間『ことばの教室』に通って滑舌が改善されたので、今では何と言っているか分からなくて聞き返すようなことは全く無くなりました。
疲れている時にたまに滑舌が悪くなる時がありますが、ちょっと意識させてあげるだけで きちんとクリアな発音が出来るようになりました。
二女は年長〜小学1年の終わりまでの2年間通って滑舌が改善されたので卒業しました。良かったぁ〜
この記事が、あなたとお子さんのお役に立てれば幸いです。