※弾き比べ動画は、この記事の最後尾にあります。(ジャンプする)
みなさんこんにちは、音楽が大好きな5児のママおとはです。
ピアノが好きな人ならきっと、遅かれ早かれグランドピアノが欲しくなるのではないでしょうか?
わたしも、例にもれず最近グランドピアノが欲しいと思うようになりまして・・・どれにしようか、どれがいいのかと、色んなサイトや口コミを検索する日々を送っています。
そんな折、いつもお世話になっているかたから「グランドピアノの試弾会があるよ〜」と教えていただいたので行ってまいりました。今回試弾させていただいた5つのメーカーの特徴や、実際に弾いてみた感想などをお伝えしたいと思います。
ヤマハ、カワイ、ボストン、ホフマン、ペトロフのグランドピアノに興味のあるかたの参考になれば幸いです。
前 置 き
わたしは長年電子ピアノだけを弾いてきて、それに満足していたのですが、昨年主人の実家にあったアップライトピアノを譲り受けた時に、電子ピアノとアコースティックピアノの違いに身震いしてしまいました。
それまでは、「ピアノなんてどれもみんな同じ鍵盤楽器じゃないの?」なんて思っていたので、こんなにも違いがあることを知って以来、ますますピアノが好きになりました。
自分がそれを欲しているとは思わなかった。それに出会うまでは・・・。
という名言がありますが、まさにその通りで、アップライトピアノに出会うまでは電子ピアノで満足していましたし、グランドピアノに出会うまではアップライトピアノで満足していました。
あ、でもアップライトでも充分満足はしているんですが・・・グランドピアノの運命の1台に出会ってしまうと、もう引き返せませんね(笑)
うちには幼児が5人いるのですが、聴力が一番伸びるのは3〜6歳といわれているので、その時期に良い音をたくさん聴かせてあげたいという思いも相まって、この一年「グランドピアノが欲しいな〜どれがいいのかな〜」と日々情報を集めていました。
調べれば調べる程、ピアノに関していえば
"百聞は一見にしかず"ならぬ"百見は一聞にしかず"だなぁと思えてきます。
なぜなら、どうゆう音をいい音だと思うかは一人一人違うから。
分りやすくするために、ピアノをペットに例えてみるとします。
「ペットとして何を飼いたい?」と聞かれて、「犬」と答える人、「猫」と答える人、「鳥」と答える人、「魚」と答える人、「うさぎ」「ヘビ」「カメ」etc...色んな生き物が出てきますよね。
そして、例えば「犬」と答えた人も、大型犬なのか中型犬なのか小型犬なのか・・・もっと具体的にいうと、トイプードルが好きなのか柴犬が好きなのか、チワワ、パピヨン、ゴールデンレトリバー、ハスキーetc...人それぞれ好みが違います。
さらに、同じ”トイプードル”でも毛色が違ったり顔つきが違ったり性格が違ったりと、一匹一匹全然違います。
ついでに言うと、同じ子でも日によって、機嫌が良い日、機嫌が悪い日、調子が良い日、調子が悪い日がありますよね。
グランドピアノにも同じことが当てはまります。
「好きなピアノのメーカーはどこですか?」と聞かれて、「ヤマハ」と答える人、「カワイ」と答える人、「スタインウェイ」と答える人、「ベーゼンドルファー」と答える人、「ベヒシュタイン」「ペトロフ」「ファツィオリ」etc...
そして、例えば「ヤマハ」の中でもCシリーズ、Gシリーズ、CXシリーズ、CFXシリーズ...と色々あり、シリーズの中でもサイズによって音の響きも違ってきます。
さらに、例えば同じ「C3」だとしても、音の響きや音色、タッチ感などは一台一台違い、その一台も、温度や湿度の変化などによって日ごとに響き具合が変わったりします。
ペットを飼おうとする時に、その子を一度も見ずに飼う人っていないですよね?
まず見てから、飼うか飼わないかを決めると思います。
同じようにピアノも、その子を実際に弾いてみて、「あ〜!この子好きー!いつまででも弾いていたい!」と思える子を手元に置けたら幸せだなと思うのです。
”その子”に出会うためには実際に弾いてみるのが一番ですが、”その子”に出会うまでの旅を楽しむポイントは、良質な情報を得てイメージを膨らませることだと思います。
”その子”に込められた作り手の思い、歴史、性質を知ることで、"その子"に出会った時の感動はひときわ大きくなるのではないでしょうか。
今回は「ヤマハC5」「ボストンGP163PE」「ホフマンT161」「ペトロフP159」「シゲルカワイSK-2」の5台に込められた作り手の思いと、実際に弾いてみた4人の感想をお伝えしたいと思います。
感想は、ピアノの音を何かに例えたら分りやすいかなと思いまして・・・
今回この企画を紹介して下さったKさんには『絵画』に例えて表現して頂き、演奏して下さったピアニストのTさんには『色』に例えて表現して頂き、主人は『風景』に、私は『動物』に例えて表現してみました。
音に対する感じ方や表現の仕方は人それぞれですので、「この人たちはこう感じたのか〜」くらいに思って頂ければと思います。
ヤマハ C5
《参考価格: 2,200,000 円(税抜)》
以下、メーカーHPからの引用です
メーカーが目指すもの
あなたの心と共演するピアノを造りたい。
ピアニストが理想とする音を、余すことなく響かせたい。
確かな存在感を持って響きわたる堂々とした音と豊かな表現力。
現代を代表するピアニストとともにピアノ芸術の世界を大きく広げています。
「歌うピアノ」の神髄
大小おびただしい数の部品のくみあわせで構成されるグランドピアノを設計するということは、木材やフェルトといった天然素材の特性から天候や気温の変化にいたるまで、ありとあらゆる条件を熟慮したうえで、ピアノ本体をいかに歌いやすい「体」に仕上げるかということ。
ピアノが演奏者にとって最高の共演者となるために、開発者の挑戦の成果がここにあります。
長い歳月と技術の粋を惜しみなく注ぐ
長年にわたるピアノづくりの研究と技術の粋を惜しみなく投入して製作されています。
例えば、指の動きをハンマーの動きに変えるアクション機構の加工精度は、なんと5/100ミリ。
こうした木工製品としての加工精度の限界を支えているのが、ヤマハの熟練した技術者たちです。
ピアノの心臓部と言われ、鋼鉄製の弦の振動を豊かな響きに変える響板。
スプルース材を接ぎ合わせて1枚の響板を仕上げる工程は、木の素質を見抜き、木の特性を生かす、まさに職人芸の領域です。
木を知りつくした技術者たちが、木と対話しながらつくり上げるヤマハピアノ。
そこには1,000年以上にわたって受け継がれてきた日本伝統の木工技術が息づいているのです。
ディティールに込められた情熱
演奏者ひとりひとりにしかできない表現があるように、ピアノにも個性があります。
1台1台のピアノが放つ芸術性は、それを最大限に引き出す伝統的な職人技と、正確さを確実に保証する最新鋭の生産技術との絶妙なバランスによって生み出されるものです。
ヤマハグランドピアノに宿る命は、正確な加工を実現する機械と多くの熟練技術者たちの情熱から生まれます。
Cシリーズ
ディティールにこだわり、響きと表現力に磨きをかけたCシリーズ。
Cシリーズでは、音づくりの最終工程「整調」「整音」を1台ずつ匠の手作業により丹念に行っています。
この仕上げにより、鍵盤は弾き手の指と一体になって心地よいタッチ感を生み、粒のそろった音を創り出すことができます。
さらに、和音のまとまりやふくよかな響きは、音と対話する贅沢を教えてくれることでしょう。
YAMAHA C5のスペック
幅149cm
高さ 101cm
奥行き 200cm
重量 350kg
実際に弾いてみた感想
Kさん
『自分や家族が描いた絵』のように、美術館にかけられる事はないけれど、家の壁にある絵。あまり立ち止まってしっかり見たりしないけど、無くなると寂しくなる…『恋人か我が子の描いた絵』のように愛おしさも感じます。
Tさん
『虹』のように、全ての色が調和してバランスがとれている感じがします。軽やかさや重厚さが、つややかにバランスよく響き渡っていて、親しみやすく、どんな曲を弾いても違和感がないのではないでしょうか。
パパ
『パリ』のように、陽気で賑やかでキラキラした感じがします。
ママ
『犬や猫』のように、扱いやすく、寄り添ってくれる感じがします。
ボストンGP163PE
《参考価格:2,310,000円(税抜)》
以下、メーカーHPからの引用です
メーカーが目指すもの
可能な限り最高のピアノをつくる
スタインウェイのピアノは、聴く人とアーティストとの間にある壁をとり払い、アーティストの妥協のない純粋な表現をそのまま届けることができます。
スタインウェイの歴史
スタインウェイ&サンズは、1853年にドイツ人移民のヘンリー・エンゲルハート・スタインウェイにより、マンハッタンのヴァリックストリートに設立されました。
その後30年間以上にわたり、ヘンリーと息子たちはモダンなピアノを開発。
以来、彼らは、熟練の職人から弟子へ、世代から世代へと受け継がれる技術を駆使して、1台ずつ製作してきました。
スタインウェイの現在
スタインウェイのピアノはすべて長年培った経験にもとづいてつくられています。
たゆまぬ革新と改善を追求する職人たちがそのプライドをかけて、現在でも手作業で丁寧に1台1台のピアノに命を吹き込んでいるのです。
「自分がつくった作品が、自分の命が終わったあとにも音楽を奏で続けることを考えると、この上ない喜びです。」
ー ユルゲン・アーベルベック(勤続36年の スタインウェイの職人)ー
純粋な芸術的表現は、人の心に届き、感動を呼び覚まし、人生を変える力を持っています。
ボストンピアノについて
1992年に誕生したスタインウェイ設計のボストンピアノは、スタインウェイの160年以上におよぶ最高級のピアノ製作と継続的な改良への取り組みによって培われた製法を駆使して製造されています。
弦の張力を軽減することによって、より大きい響板を採用することが可能となり、実際より大きなサイズのピアノを演奏しているかのような、音を長く保つ豊かな響きが得られるとともに、ピアノ自体の耐久性も向上しています。
アクション設計においては、ハンマーを動かし始めるのに必要なエネルギーが少なくて済み、素早い反復、非常にレスポンスの良いアクション、そして驚異的なダイナミックレンジのコントロールが可能です。
ボストンピアノはスタインウェイピアノと同様、総木製のアクションパーツを採用しており、プラスチックは一切使用していません。
木は特徴的な感触を生み出し、演奏者は、通常はコンサートピアノでしか得られない鍵盤からの「フィードバック」を実感できます。
優れた楽器とは、演奏者のビジョンを邪魔することなく、まるで指先と生み出された音との間に何も存在しないかのように表現できるもののことを指します。
ボストンピアノは、まさにそうした感覚を実感いただけます。
ボストン GP163PEのスペック
奥行:163cm
横幅:151cm
高さ:102cm
重量:322kg
実際に弾いてみた感想
Kさん
『水彩画』のように、ボディ全体の響きから感じるその柔らかさは、強すぎない絵の具の色で、色水を重ねて描かれたような優しさ柔らかさを感じます。
Tさん
『海』のように、藍色や紺色などの濃い色のイメージ。繊細だけれども丸みを帯びた音で、伸ばす部分が豊かな気持ちで弾けます。
ノクターンなどの重みのある曲が特にお似合いだと思います。
パパ
『洞窟』のように、深く響く感じがします。
ママ
『もこもこした羊』のように、柔らかく包み込んでくれるような感じがします。
※室内は適切な温度・湿度に保たれていたのですが、撮影時上がってこない鍵盤がありました。
動画をご覧になられる時に気になるかもしれませんが、適切な対応を施せばそのようなことも起こらなくなりますので、ボストンの購入をお考えのかたもご心配なさいませんように。
ホフマン T161
《参考価格:2,759,259円(税抜)》
以下、メーカーHPからの引用です
メーカーが目指すもの
ベヒシュタインで練習していれば、演奏会でどのメーカーのピアノを弾いても安心して弾けます。
音楽的なアイディアを構築できるからです。この意味で最高のピアノです。
音の立ち上がりが速い
演奏者のタッチに瞬時に反応します。欲しいと思う瞬間に音が出てきますから、指の訓練に最適です。
多声部からなる音楽では、メロディー、内声部、伴奏部などを手前に出したり、または、遠くから聴こえるようにすることが可能で、音楽的な意味を素早く理解することが出来ます。
透明感ある音
ピアノの音が、主張するのではなくて、あなたの「個性」が前面に出てきます。
1音1音にあなたの伝えたい意味を持たせることが容易です。
音の減衰が比較的速い
この点は、他社、特にスタインウェイと比較されると明らかです。
というのは、ピアノが20世紀に完成される過程(1860~70年)で、スタインウェイをはじめとする各メーカーは音量を追求する数々の工夫をしたことに対して、ベヒシュタインは、より音楽的な上述の2項目(音の立ち上がりと透明感ある音)を重視したからです。
この工夫のヒントは、リストの演奏から得ております。
つまり、ヴィルトゥオーゾとして名高いリストの作品には、沢山の音が同時に打鍵される曲があります。
ですから、その1音1音がサロンできれいに聴こえて、しかも強弱によって立体感をもって聴こえなければならないからです。
全部の音量が大きく、音の持続が長いとしたら、どの音が残っているか、聴こえにくくなります。
減衰してゆくときの色彩感をコントールしようとすると、ペダルを多用しなければならなくなります。
それを想像してみてください、ペダルでは全部の音が消えてしまいます。
減衰が比較的速いとその分、音が混じり合いながら消えてゆく時の「色彩感」を出すことができ、音が消えてゆく時の美しさを表現できます。
メロディー、内声部、伴奏部などのラインとして立体的に描かれた演奏を、聴衆はきれいに分けて聴くことが出来ます。
心地よい、歌うようなベヒシュタインの音は、更に抑揚感と表現の幅を広く感じさせます。
音域のバランス感
同時にベヒシュタインサウンドは、オーケストラを意識した、「音域のバランス感」に支えられております。
力強く、しかし強調されすぎることのない低音、伸びのあるリリカルな中音、歌うような高音・・・それは現代の要求に叶う響きの理想的な特徴です。
ホフマン
ホフマンのピアノはベヒシュタインのエンジニアとマイスターにより設計され、チェコ・フラデツクラロベのベヒシュタイン・ヨーロッパ工場で製造されています。
ピアノはヨーロッパで生まれた楽器だから、ヨーロッパで造る。
ゆえに、伝統の響きをまっすぐに継承することができるのです。
T161はコンパクトなグランドながら、響きの中に音色のコントラストを楽しむことが出来ます。
調和しつつもそれぞれの音色が独自性を失わない響きで、ハーモニーのバランスが良く、音色が印象的です。
タッチも心地よく、あらゆる音域で均衡の取れた音を奏でます。
アクションやハンマーヘッドを伝統を受け継ぐ職人が手作業で調整するなど、古き良きヨーロッパの伝統を残しつつ、最先端の技術を導入することで、T 161は「ヨーロッパ的な音」を忠実に再現しています。
ピアニッシモからフォルティッシモまで、自在に奏でられると同時に、繊細な音楽解釈にも誠実に応えてくれます。
ホフマン T161のスペック
高さ 102㎝
幅 151㎝
奥行 159㎝
重量 310㎏
実際に弾いてみた感想
Kさん
『水墨画』のように、弾き手によって音色が違うと感じるピアノだと思います。
色のない水墨画の世界では、見る人によって、描かれた花の色も変化してしまう。その色は十人十色・・・無限にすら思います。
かといって真っ白い紙ではないので薄い黒、濃い黒で描かれた絵は、方向性を見失わずしっかりと導いてくれる感じがします。
Tさん
『暖色系』のように、優しい雰囲気の音で、親しみやすく、人の声に近い感じがします。
合唱曲の伴奏によく合うのではないでしょうか。
パパ
『柔らかい木漏れ日が差し込む森の中』のように、あたたかく、まるみがある感じがします。
ママ
『森の動物たち』のように、色んな音がするけれど調和がとれていて、森に住む動物たち(シカ、クマ、リス、ウサギ、フクロウ、ネズミ、キツネ、タヌキなど)がみんな寄ってきて一緒に歌っているような感じがします。
ペトロフ P159 Bora
《参考価格:3,350,000円(税抜)》
以下、メーカーHPからの引用です
メーカーが目指すもの
音楽の国チェコが誇る老舗ピアノブランドのペトロフは、その特長を一言で形容するならば、“温もり”。
我々が忘れかけている懐かしさを刺激する、味わい深きピアノといえるでしょう。
ペトロフのこだわり
音を響かせる響鳴板には、森林資源に恵まれたチェコの山中で採れるボヘミアン・スプルース。
ヴァイオリンにも使用される木材は、歌声のような艶やかで優しいサウンドを奏でます。
タッチ感をつくる鍵盤とアクションの性能も、ペトロフ社が国家の管理下にあった2000年頃までの製品と比べて、物流の自由化により飛躍的な進化を遂げました。
現在はドイツのアクションメーカーRENNER社を主とした質の高い部品や優れた技術を積極的に導入し、演奏者の気持ちを表現してくれるデリケートな弾き心地を実現しています。
昔ながらの工作機械を使い、職人による手作業の要素がいまだ残るため、同じモノがひとつとして存在しない“個性”、それもまたペトロフの魅力となります。
輸入した後に手間をかけてプレップアップ(出荷調整)を行えば個体差への対応が可能で、それだけのポテンシャルを秘めた楽器であると弊社は確信しています。
丁寧に調整するか否かで、これほど印象が変わる楽器は珍しいかもしれません。
Bora
Boraとは、ヨーロッパ・アルプス山脈からアドリア海にそそぐ風の呼称です。
ベビーグランドながら立体感のある響き、あたたかい音色を奏でます。
小型でも弾きやすいのがペトロフの特長。演奏者の繊細な表現をサポートします。
ペトロフ P159のスペック
幅 152.5 cm
奥行き 159.0 cm
高さ 102.5 cm
重量 295 kg
実際に弾いてみた感想
Kさん
『色鉛筆で描かれた絵』のように、ガラスの様な透明感と風に乗って飛び立てそうな軽やかさがあり、よく見ると細く繊細な線が幾重にもかさなって華やかな絵を構成しているような感じがします。
Tさん
『透き通った緑や黄色、パステル系』のように、光が差し込んでいる感じがします。ボストンと真逆ですね。
『渚のアデリーヌ』や『乙女の祈り』などの音に伸びのある曲が特に似合うと思います。
パパ
『青空』のように、高く澄んだ感じがします。
ママ
『鳶(とんび)とカナリヤ』のように、鍵盤をポーンと押すと、その音に羽が生えてどこまでも飛んで行くような澄んだ音色が、澄み渡る大空を悠然と旋回する鳶のようであり、美しく鳴り響く音はカナリヤの鳴き声のようだと感じました。
また、暖かく澄んだ響きがチャペルの鐘のようだな〜とも感じました。
今回試弾させて頂いた5台の中では、わたしはこのペトロフが一番気に入って、一日中でも弾いていたくなるくらい虜になってしまいました。
ついでにいうと、外装はペトロフのRococo↑が大好きです(試弾したことがないので音はわかりませんが)。これで弾いたら優雅な気分に浸れそう。いつかこれを購入するのがわたしの夢です♪
シゲルカワイ SK-2
《参考価格:2,750,000円(税抜)》
以下、メーカーHPからの引用です
メーカーが目指すもの
コンパクトなボディを感じさせない力強い響きと煌きのある音色を発揮。
演奏者のために的確に応える「よく鳴る」ピアノです。
響版へのこだわり
ピアノの響きの源泉である響板。
その素材の天然乾燥に、一般的なモデルと比較して、はるかに長い歳月を費やしています。
響板は乾燥しているほど音をよく響かせ、音の伸びも良いことから、木材の水分を落とすための乾燥工程は必要不可欠です。
しかし、人工乾燥(熱気乾燥)による強制的な乾燥では、木材内部に「割れ」が発生しやすく、この「割れ」により材料が本来持っている音の伝わりやすさなどの音響性能が低下してしまいます。
そこで、割れが発生しにくいゆっくりとした天然乾燥を長期間にわたり行うことが必要となるのです。
また、響板用のスプルース材は長期の天然乾燥期間により、含水率や音の伝播速度(音の伝わる速さ)などの音響特性が高いレベルで安定することが研究の結果わかっています。
さらに、木材には湿度が変化すると寸法も変化するという性質がありますが、天然乾燥期間を長くすることで、そのような影響も受けにくくなるなど、環境への順応性が高まることも判明しています。
Shigeru Kawaiがその製作工程において、効率やスピードを優先させることなく、響板素材の天然乾燥の期間に強くこだわるのは、それが最上級のグランドピアノであるための必須条件のひとつだからなのです。
響板の素材としての木材は、軽くて弾力性に富むものほど音の響きや伸びが良くなります。
響板の駒のある片方の面が緩やかに湾曲し、わずかに盛り上がっていることを「ムクリ」といい、太鼓の皮がピンと張っている状態にもたとえられるもので、大きな響板に力学的な緊張を与えることで、響きやすくしているものです。
ムクリが十分にある響板がピアノの音響特性を向上させるので、響板に十分なムクリができるまでは決してピアノ本体に組み込むことはしません。
従来の構成に新たにメイプルを混合したハイブリッド積層積揚げを採用したことにより、響板の固定端の剛性が増したことで、響板がより効率良く振動し、力強く、そして引き締まった響きを実現しました。
さらに、弦の振動を響板に伝えるための駒に、音響特性に優れたボックスウッド(ツゲ)材を採用。
弦振動が効率良く響板に伝わることにより、一段と伸びやかな響きが生まれました。
ピアノ奏者にとって理想的な鍵盤の動きを実現
とりわけ鍵盤長の大幅延長という大胆な仕様変更により、鍵盤の支点が一段と奥になり、鍵盤の奥を弾いた場合も十分なストロークで演奏できるため、弾きやすさ、表現のしやすさが一段と向上。
白鍵の表面素材にはファインアイボリー(人工象牙)を、黒鍵にはファインエボニー(人工黒檀)を使用。
いずれの材料も吸水性があり、指にやさしい表面硬度を持たせることで、絶妙なタッチを実現しています。
これにより、ピアノ奏者にとって理想的なタッチ感で応える、かつてない最適な運動を行う鍵盤を実現しました。
芯のある凛とした響きを実現
美しい響きをさらに強化するため、鍵盤延長と連動して、前框(まえがまち)の寸法を厚くすると共に、弦固定枠とフレームの結合設計や響板固定方法など、構造設計を大幅に見直しました。
この新設計により、構造体の剛性が大幅に強化され、響板の振動を構造体全体で受け止めることで、ピアノの理想とされる、芯のある凛とした響きに到達しました。
ウィペン、レペティションレバー
ウィペンおよびレペティションレバーの素材としてカーボン入りABS樹脂を採用したことで軽量化・均質化が図られ、軽快で均整がとれたタッチを実現。
さらに新素材の利点を活かし、木材では不可能な新形状を採用することによって、さらなる軽量化と高剛性化にも成功。
また、剛性が高いため打鍵エネルギーが効率的にハンマースピードに反映し、連打性の向上、強打時の音量アップ、ダイナミックレンジの拡大も図られました。
低音部の弦は、熟練職人により、一本一本丁寧に手巻き加工する
ピアノの低音部の弦にはミュージックワイヤーに銅線を巻きつけた巻線が使われています。
この巻線づくりの作業は非常にデリケートで、巧みにコントロールしながら正確に巻くことが要求されます。
現在では機械加工も進歩し、かなり高性能な巻線が製造できるようになりましたが、熟達したクラフトマンによる手巻き加工の水準には未だ及びません。
すべてに最高品質を求めるShigeru Kawaiでは、巻線一本一本をクラフトマンが手巻き加工しています。
シゲルカワイ SK-2のスペック
高さ 102 cm
間口 152 cm
奥行 180 cm
重量 324 kg
実際に弾いてみた感想
Kさん
『油絵』のように、平面の紙に絵の具を重ね立体的に描くその絵には奥行きが生まれます。
奥行き(重厚さ)と華やかさのある音だと感じます。
Tさん
『低音が寒色、中間が紫、高音が暖色』のように、明暗両方あって、暖色と寒色が奇麗に混ざって、のっかっている感じがします。
大聖堂のオルガンを思わせる感じで、盛大な曲やゴスペル(魂の叫びの曲)が特に合うピアノだなと思います。
パパ
『山と谷』のように、鍵盤を弾く位置によって見える景色が違う感じがします。
ママ
『馬術競技用に調教された馬』のように、全体的にキリっとしていて、低音部はズッシリ堂々としていて高音部は軽やかな足取りを思わせる感じがします。
まとめ
いかがでしたか?
それぞれのメーカーには各々ビジョンがしっかりあって、魂を注いで設計、製造しているんですね。
各メーカーの製作意図を理解すると、そのピアノを演奏するときに、単なる指の運動ではなくて、音楽のアイディアが生まれ、演奏者のピアノによる表現力が格段に向上します。
ピアノって奥が深い楽器ですね。
だからこそ、共鳴できる1台と出会えたときに、ピアノと奏者双方の無限の可能性への扉が開かれるのではないでしょうか。
わたしも、そんな1台に出会える日を夢見て、もう少しグランドピアノ探しの旅を楽しみたいと思います。
もしもピアノを買い替える時が来たら、少しでも高く売りたいと思う。
ピアノはまるで家族のように、苦楽を共にした、大切な存在です。
しかし、環境の変化に伴って泣く泣く手放さなければいけなくなる時ってありますよね・・・。
本当はずっと側に置いておきたいけれど、どうしてもそれが出来ないとき、少しでも高く売ることで、ピアノに価値を与えてあげたい。
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弾き比べ動画
ピアノの弾き比べの動画はYouTubeにも結構アップされているんですが、たまに残念だなと思うのは、中音部しか使わない曲で弾いてらっしゃる動画です。
”弾き比べ”の動画を視聴する理由って、そのピアノがどんな音を出すのかを知りたいからなんですよね。
でも中音部しか聞けないと、低音部と高音部はどんな音なんだろう?という疑問符が残るわけです。
なので、今回演奏して下さったTさんにリクエストさせて頂いたことは・・・
①鍵盤の端から端まで1往復
②なるべく鍵盤の端から端までを使い、音がよく分るように伸びやかな部分がたくさんある曲を選曲
③3分くらいでおさまる曲を選曲
という狭い条件だったんですが、快く引き受けて下さったTさんに、この場を借りて御礼申し上げます。